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四季折々に思うこと Ⅱ-22

踏花舎 倉橋みどり



「おもちゃかぼちゃとひもとうがらし(大和伝統野菜)」 イラスト・榎森彰子

往馬大社へ初めてお参りした。
往馬と書いて「いこま」と読み、もともとは、大阪と奈良とを区切る生駒山をご神体とした。
案内してくださった神職さんによると、創建年代は不詳。
少なくとも西暦400年代にはすでにここは信仰の場であったという。
現在の生駒山は、山上に遊園地があり、遠くからでも鉄塔が見える。
神職の方に見せていただいた写真を見ると、ほぼ左右対称の美しい稜線を持つ神奈備山であることがよくわかる。 

拝殿の奥には、春日造のお社が七殿。
伊古麻都比古神と伊古麻都比賣神という産土神と、鎌倉時代に加わった神功皇后、応神天皇、仲哀天皇、神功皇后の父母を祀る。
「一般的に、応神天皇を中心に祀ることが多いと思いますが、当社ではなぜか、神功皇后を中心にお祀りしてきました」とのこと。
本殿の横には、小さな観音堂があり、鎌倉時代の十一面観音様もおられた。
毎年十月に行われる火祭りの、勇壮なイメージが強かったが、ふだんの境内には清々しい気が満ちていて、何度も深呼吸した。

社名の「馬」の字にちなみ、馬の顔形の絵馬や小さい馬の人形がついた「馬おみくじ」も。
午年生まれの私はすっかりうれしくなってしまった。

爽やかに祈るは世界平和なり   みどり


            

倉橋みどり

奈良に暮らし、奈良をこよなく愛するフリー編集者・文筆家。著書に『奈良の朝歩き、宵遊び』など。奈良の歴史・文化を編集発信するNPO法人文化創造アルカ理事長。武庫川女子大学非常勤講師。奈良女子大学なら学研究センター協力研究員。俳歴33年の俳人でもあり、NHK文化センターほかの講師、俳人協会幹事を務める。