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第46回 ワインの角打ち

フォトライター 八木洋行

藤枝駅近くに「エピスリー芒種(ぼうしゅ)」というワイン専門販売店がある。オーナーはソムリエの資格を持つ杉山有子(昭和48年生まれ)さん。平成29年2月に開店した。ワインの〈角打ち〉をやっていると聞き、探し訪ねた。〈角打ち〉の語源は、酒屋がまだ日本酒を量り売りしていたころ、酒飲みが升の角に口をつけて飲む。店の角を仕切って立ち飲み用にして、そこで飲むこと……とある。

午後4時を少し過ぎたころ店に入る。するとすでに女性2人がワイングラスを傾けている。さっそく、わたしも渋味のある赤ワインを……と、注文。すると、さっと棚から取り出してコルクを抜き、ゆっくりグラスに注いでいただいた。

店には杉山さんが厳選した800本余のワインが並んでいる。杉山さんは、有機栽培の自然派ワインにこだわっているらしい。「天体の動きに合わせて耕し、収穫する。たとえば、新月のときに摘む葡萄で作ると最高のワインができるという具合です。そういうヴァンナチュールのワインを作っている人が世界にはいるんです。でも、なかなか手に入らない。だけどあきらめていません」と、目を細める。

また、国内の個性豊かな作り手のワインも集めているという。「ワインは人柄が出ます。同じ葡萄でも、早摘みして酸味のあるさわやかな若い女性を思わせるワイン。貴腐葡萄になるまで待って作る豊満な女性を思わせる香り豊かなワイン。どちらを目指すかは作り手の趣向、個性。人柄が出る」……なるほど。ふーむ、どうも作り手の顔が見えるワインを提供したいというコンセプトがあるようだ。

杉山さんは高校を卒業後、和食の職人として修業。しかし、厨房での仕事が自分に合ってないと感じ、接客にシフトを変える。だが、ここで考えた。資格も何もいらない接客業はどこか物足りない。そこで目指した。ワインのソムリエだ。ソムリエの試験は一発合格でないと二度目はないと決め猛勉強。平成17年に見事一発合格。二人の子の母の胸には、金色の葡萄房のソムリエバッジが光る。

エピスリー芒種

住 所:藤枝市駅前3-18-1 渋谷ビルB
電 話:054-689-0526
時 間:月~木 11時~19時 金・土 11時~22時
定休日:月、第1・3日曜