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第52回 佛現寺みやげ 天狗詫状

フォトライター 八木洋行

伊東市役所近く、日蓮宗の佛現寺に「天狗の詫び証文」という、長さ1丈(3m13㎝)、幅1尺(38㎝)の巻紙に、解読できない文字がおよそ2,900余字、178行に記されたものが寺宝として伝わっている。

伝説では、むかし伊東から修善寺へと通ずる柏峠に、天狗が現れては人々に悪さをしていた。
そこで佛現寺の日安上人が、柏峠の大杉の根元で天狗調伏の祈祷を行った。
七日七夜の祈祷満願の日、大杉の梢に天狗が現れると、「許してくれ」と言い放ち逃げ去った。
やがて風に舞って巻紙が落ちてきた。
見ると、なにやら不思議な文字がいっぱい書き連ねてある。
しかし、学識も高い日安上人にもその文字は読めなかった。
その後、天狗は出没しなくなり、その巻紙は「天狗の詫び証文」では、ということになり、寺宝として
伝えてきた。

この天狗がしたためたと伝わる巻紙の文字は、「神代文字」「山伏文字」「霊界文字」等々の説があるが
決め手がない。
本物は現在見ることができないが、コピーを手にして見ることはできる。

その「天狗の詫び証文」を、市内の和洋御菓子玉屋が、煉り羊羹で筒状のものを「天狗詫状」と印刷した
紙で包み、巻物風にして土産を作った。
こし餡を程よい甘みで練り上げた羊羹は、見た目のキッチュ感に反して本格的な味わいだ。

客が来たら、巻物の紐を解き、おもむろに羊羹を取り出して切り、茶に添えるように出すのも少し可笑しみを
誘うもてなしかなと、赤い巻紙と青い巻紙の2本を買い求めた。

佛現寺

住 所:伊東市物見が丘2-30
電 話:0557-37-2177
天狗詫状 1本500円(黒・白の2種類がある)