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第49回 お餅カフェ 柿の木坂の家

フォトライター 八木洋行

稲の豊作を予祝する芸能「田遊び」を、室町時代以来伝承する藤枝市瀬戸谷地区滝沢村に、「お餅がうーんまい」と評判の茶屋がある。
主人の井沢敬夫さん(昭和14年生まれ)は、永く田遊びに貢献され、現在も田遊びに使う「リキヒョウ」と呼ぶ、田の神の御現を象徴する鏡餅をはじめ、鎌・鍬に見立てる餅や、神前に供える餅三組を作っておられる。

「柿の木坂の家」は、滝口橋の橋詰めにある。茶屋の名は青木光一が歌った石本美由起作詞・船村徹作曲による「柿の木坂の家」をそのまま付けたのだという。歌の中にある

  春には柿の花が咲き 秋には柿の実が熟れる 柿の木坂は駅まで三里
  思い出すなア ふる里のヨ 乗合バスの悲しい別れ……


は、村を離れる仲間を見送った思い出と重なる。

評判の餅は、井沢家の田んぼでとれたもち米を使う。
奥さんの久代さん(昭和19年生まれ)が蒸かし、ひと臼2キロを夫婦で臼と杵で搗く。
多いときは20臼も搗くというから大変だ。土曜日は夜明け前からの大仕事になる。

もち米の品種は「駿河モチ」だという。同じ品種でも作る田んぼで味が異なるらしい。
最近は自家製のもち米だけでは足りないので、味が同じと感じる佐賀県のもち米も使っている。

茶屋は平成22年に始めた。というのも、平成11年から始めた藤の瀬会館の芝生広場で毎週日曜日に開く「せとやさんさん市」に出店していたところ、ことのほか餅が評判で、しかも1年中餅が売れる。
そこで、家の近くに茶屋を開き、土日もやるようになったのだという。
〈いそべ焼き〉と〈あべ川餅〉がことに評判で、最近は娘の由賀さんと、敬夫さんの実弟恒夫さんが接客される。この茶屋の奥には滝ノ谷不動狭がある。

お餅カフェ 柿の木坂の家

住 所:藤枝市滝沢1270
電 話:054-639-0748
時 間:10時30分~16時30分
定休日:土・日曜のみ開店
駐車場:有