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第66回 蛭ヶ島茶屋の椎茸そば

フォトライター 八木洋行

足踏み状態だったNHK大河ドラマの放送がようやく再開された。
再来年は北条義時を主人公にする「鎌倉殿の13人」だという。
ゆかりの地、伊豆の国市ではすでに取り組みが始まったと聞き、コロナ禍の炎天下、北条氏館跡や政子産湯の井戸、北条義時夫妻の墓、願成就院などを観て、頼朝が流された蛭ヶ小島へ立ち寄った。
現在は蛭ヶ小島ではなく蛭ヶ島と呼ぶらしい。
その蛭ヶ島公園の一角に「蛭ヶ島茶屋」がある。
「ここは蛭ヶ小島ではなかったですかねえ…」と、店の人に聞く。
「このあたりの者は蛭ヶ島と昔から呼んでいたでねえ…」という。
まあそれはさておいて、この茶屋は伊豆高等職業訓練校の生徒が建設に携わり、梁の組み合せを活かした茶屋建築になっている。
平成18年3月に開店。
最初は弁当とお茶を販売していたが、8年前に蕎麦や味噌おでん、カレーなどを提供する食堂に変身。
こうした公共施設で運営される食堂では美味いもの無しが定石。
壁のメニューをジッと眺め見て、〈椎茸そば〉の冷たいのを注文。
出てきて驚いた。肉厚の椎茸がどっさりと乗り、大根おろしもたっぷりだ。
蕎麦が乾麺なのが惜しいが、椎茸の出汁が効いた汁は即席ではないことがわかる。
この肉厚の椎茸は天城山のホダ場で採った冬菇(どんこ)を使っているとのこと。
薬味はワサビだろう。うーんピッタリだ。天城名産のそろい踏みだ。
カレーも食べてみた。なんと上高地帝国ホテルの玉ねぎの甘味が効いたカレーそっくりの味だ。
とにかく、素材の吟味と味付け、盛り付けに…携わっている人たちのプライドと真心が伝わってくる仕事だ。 

現在はシルバー人材センターに登録する11人が交代で運営している。
先客のお一人に話しかける。なんでも奥さんを施設に託しているので、定休日以外はすべてこの茶屋で昼を食べているという。
ここで知り合った友達と話ができるのも楽しみなんだそうだ。
お茶は出がらしでなく、濃茶を何度も注いでくれた。シフォンケーキもなかなかだった。

 

蛭ヶ島茶屋

住 所:伊豆の国市四日町17-1
電 話:055-949-5582
営 業:10時~15時
定休日:水曜日