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第61回 蘭と化石とブルーベリージャム

フォトライター 八木洋行

藤枝市を背骨のように流れる瀬戸川の上流、中里橋のすぐ脇に山小屋風の「喫茶MUKU」という店がある。
店は喫茶室と化石の展示室になっている。
化石はご主人の薮崎さん(66歳)が、20代の頃から集めたもので、コレクションは主に掛川層群大日砂層で採取されたものが中心で、「天狗のお爪」と呼ばれる鮫の歯化石も並んでいる。
店の外には温室があり、ここに風蘭(フウラン)と石斛(セッコク)が500鉢余並ぶ。
この蘭も20代の頃から趣味で始め、現在は吉田町の小山城跡で開かれる交換会をはじめ各地のオークションに出品するプロなのだ。

さて、薮崎さんの手作りブルーベリージャムはつとに有名で、なかなか手に入らない。
店の裏の畑で栽培されたブルーベリーでジャムを作っているのだが、このブルーベリージャム作りも、20代の頃から野山に自生する冬イチゴや紅葉イチゴの実を採集してジャムにするという趣味が高じて始めたのだという。
ブルーベリーは温暖地に適したラビットアイという品種を主に栽培し、収穫は7月初旬から始まり9月中旬まで続く。
年間1トンの収穫があり、その内700キロが、藤の瀬会館とJAのまんさいかんに生食用として出荷されている。
したがって残り300キロが250g瓶詰め1,000本のジャムになる。
砂糖・グラニュー糖・レモン汁とブルーベリーで作る添加物なしのジャムだから、安心して子供たちに食べてもらえるというのが薮崎さんのコンセプト。
だから出来あがるのを待っているお母さんのお客が多いらしい。

実は薮崎さんは藤枝市役所の職員だったのだが、蘭作りと化石採取、ジャム作りが高じて平成10年に45歳で退職し「喫茶MUKU」を始めたのだった。
薮崎さんは要するに野外に生きる場所を求めたのだが、真面目にその趣味に向きあい、継続し、生活の糧にまで高めた人の風格が滲む素敵な人だ。

喫茶MUKU

住 所:藤枝市瀬戸ノ谷3601-1
電 話:054-639-1711
時 間:10時~17時 土日のみ開店