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第60回 キムラの地サイダー

フォトライター 八木洋行

桜えびサイダー・カレーパンサイダー・うなぎコーラ・ちびまるこちゃんさくらコーラなどなど、ユニークな炭酸清涼飲料水を次々と生み出している木村飲料を知っているだろうか。
工場は大井川の河口近く吉田町にあるのだが、本社は島田市の大井神社近く宮川町にある。
行ってみたら、酒や清涼飲料水を販売するよくある昔風の酒販店だった。

ここで初代木村伊三郎が昭和24年(1949)、島田食品として創業。
昭和28年(1953)には現在の木村飲料を創立した。
豊富な大井川の伏流水で造るラムネサイダーは飛ぶように売れた。
しかし、1960年代にアメリカからコカ・コーラが上陸すると一変した。
3代目の木村英文さん(昭和31年生まれ)によると、戦後ラムネやサイダーなど炭酸清涼飲料水を製造販売する業者は全国に2,300社、県内に30社はあったという。
コカ・コーラが上陸し、全国一斉に絨毯爆撃を始めると、地方の製造業者は敗退廃業に追い込まれていった。
現在全国で100社を切ったという。県内では木村飲料一社になった。

そういう危機感の中、平成19年(2007)に「必勝合格ダルマサイダー」を製造販売したところ、なんと1ヵ月に50万本売れた。
そこで気を良くして翌年「わさびらむね」を販売。これも1年で50万本と大当たり。
続けて「カレーラムネ」を考案し、試作品を社員に飲んでもらうと、「まずーい」「こんなのを販売したら会社は潰れる」と散々だった。
しかし3代目には、給食で10日に一度やってくるごちそうのカレー汁を再現したもので同級生たちが喜ぶと思ったのだ。
ダメもとで製造販売に踏み切る。
すると、これが「まずい」「めずらしい」で、若者たちに大当たり。1年で100万本売れた。 

そうなんだ、味覚拒否反応のすぐ隣に簡単に受け入れる味覚反応もあるのだ。
よし、100人中の2人に賛同を求めて新たに開発するぞと次々新顔が登場。
富士山静岡空港でつながる福岡の「辛子めんたいコーラ」、富士山頂の雪をイメージする「富士山頂コーラ」、「男のちょい割る強ソーダ」など、オヤジギャグ的なものもある。現在100種類を超えた。
清水のエスパルスドリームプラザ内の「清水ラムネ博物館」には60品目が展示販売されている。

木村飲料株式会社

住 所:島田市宮川町2429
電 話:0547-35-1507